ハンドル / handle

フライフィッシングのリールにおけるハンドルは、ラインを巻き取るための直接的な操作部分だ。その役割は、単にラインを巻き上げるだけでなく、魚とのファイト中にラインを素早く回収したり、余分なラインを調整したりする上で非常に重要となる。

素材は、軽量で耐久性のあるアルミニウム合金やカーボン、木材などが使われることが多い。特に、濡れた手でも滑りにくいように、表面に溝が切られていたり、コルクやゴムなどの滑り止め素材が組み込まれていたりするデザインが一般的である。軽量性は、ロッドとリール全体のバランスを保ち、長時間のキャスティングによる疲労を軽減するために重視される要素だ。

ハンドルの形状や大きさも様々で、リールのデザインや用途によって異なる。一般的に、指にフィットしやすいよう人間工学に基づいた形状が採用されている。また、ハンドルノブ（握る部分）が交換可能なリールも多く、アングラーの好みや手のサイズに合わせてカスタマイズできる。大型魚を狙うリールでは、より握りやすく、トルクをかけやすい大型のハンドルが採用される傾向がある。

フライフィッシングでは、ドラグシステムによるラインの放出が主なファイト方法となるため、スピニングリールのようにハンドルをゴリ巻きして魚を寄せることは少ない。しかし、ランディング時にラインを素早く巻き取ったり、ラインスラックを回収したりする際には、ハンドルの操作性が釣りのスムーズさに直結する。

つまり、フライリールにおいてハンドルは、アングラーがリールと直接コミュニケーションを取るための接点であり、ラインマネジメントと釣りの効率性に大きく貢献する重要な部品だと言えるだろう。