プレゼンテーション / presentation

プレゼンテーションとは、フライを魚に対して自然に見せ、食わせるための最終的な動作と工夫のことである。キャスティングの精度やフライの選択だけでなく、着水の仕方、流し方、ラインの扱いすべてがプレゼンテーションに含まれる。

魚に違和感を与えないよう、フライはできるだけ自然な形で水面や水中を流れる必要がある。そのためには、ドラグと呼ばれる不自然なラインの引っ張りを防ぐことが重要であり、メンディングというライン調整の技術が多用される。

プレゼンテーションは状況によって変わる。たとえば、ライズが起きているポイントでは、フライを正確にその位置に落とし、かつ着水音を抑える必要がある。逆に、ニンフを使う場合には、魚の目の前を適切なスピードで通過させることが求められる。

風や流れ、光の角度、水の透明度など、自然環境のすべてがプレゼンテーションに影響を与える。だからこそ、経験と観察力がプレゼンテーションの質を大きく左右する。

うまいプレゼンテーションとは、魚に「これはエサだ」と信じさせる行為そのものである。ただ投げるのではなく、「どう見せるか」がフライフィッシングの核心である。