キャスティング / casting

キャスティングとは、フライフィッシングにおいてフライラインを空中で操り、狙ったポイントにフライを届ける動作のことである。フライロッドのしなりを活かしてラインを前後に振り、タイミングよく前方に投げ出すことでフライを自然に落とす。

キャスティングの基本は、ロッドを振る角度と手首の使い方にある。後方に振るときは、ロッドを時計の文字盤で言えば1時の位置あたりまで素早く引き、ラインがしっかり後方に伸びたのを確認してから、前方の10時方向に押し出すように振る。これを「10時-2時の法則」と呼ぶこともある。

フォルスキャストと呼ばれる空中での往復を繰り返すことで、ラインの長さや方向を調整するが、無駄に回数を増やすと魚に警戒心を与えるため注意が必要である。キャスティングは力ではなく、リズムとロッドの反発力を活かすことが重要である。

風の強さやフライの重さによってもキャストの方法は変わる。たとえば向かい風のときは、ロッドを低めに構えてラインを押し込むように振ることで、風に負けずに投げることができる。

キャスティングの上達には練習が不可欠であり、スムーズで静かな動きが最も効果的なプレゼンテーションを生む。フライを自然に、水面にそっと置くような感覚が理想である。

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