リーダー / leader

リーダーとは、フライフィッシングにおいて、フライラインとティペットの間をつなぐ、透明でテーパー（先細り）になっている釣り糸のことだ。フライラインの先端に結びつけられ、その先にはティペット、そして毛鉤（フライ）が接続される。
リーダーの役割
リーダーの主な役割は、フライラインから毛鉤へのスムーズな力伝達と、魚への視覚的な警戒心を軽減することにある。フライラインは太く重いため、そのままでは毛鉤を自然にキャストしたり、水面に静かに着水させたりすることが難しい。リーダーは、太いフライラインから細いティペットへと徐々に太さが変化するテーパー構造になっているため、キャストの力を効率よく毛鉤まで伝えつつ、毛鉤を繊細にプレゼンテーションすることを可能にするのだ。
また、リーダーは透明な素材でできており、フライラインよりもはるかに細いため、水中で魚から見えにくくする役割も担っている。これにより、魚がラインを警戒して毛鉤に食いつかない、という事態を防ぐことができる。
リーダーの種類と選び方
リーダーには、主にナイロン製とフロロカーボン製がある。ナイロンリーダーはしなやかで結びやすく、水面に浮きやすい性質を持つため、ドライフライの釣りに適している。一方、フロロカーボンリーダーはナイロンよりも硬く、比重が重いため水に沈みやすく、また水中での屈折率が水に近いため、非常に見えにくいという特徴がある。そのため、ニンフやストリーマーといった水中に沈めて使うフライの釣りに適しているのだ。
長さも様々で、一般的には9フィート（約2.7メートル）のものがよく使われるが、風が強い状況やより繊細なプレゼンテーションが求められる場合には、短くしたり長くしたりすることもある。使用するフライの種類や釣り場の状況、魚の警戒心に応じて、適切な素材と長さのリーダーを選ぶことが、釣果を大きく左右する重要な要素となるだろう。