ダブルハンドロッド / double hand rod

ダブルハンドロッドとは、両手を使って操作するフライロッドであり、長い距離のキャスティングや重いラインの扱いに適した道具である。一般的に12フィートから15フィート前後と長く、大河川や広い湖、サーモンやスティールヘッドなど大型魚を狙う釣りに使われる。

このロッドの最大の特徴は、体全体を使ってラインを遠くへ送り出せる点にある。重いラインや大きなフライでも楽にキャストでき、長時間の釣行でも疲れにくい。キャスティングにはスペイキャストやスナップTなど、特殊なテクニックが多く用いられ、特にバックキャストのスペースが限られる場所で真価を発揮する。

ダブルハンドロッドには「スペイロッド」と呼ばれるタイプもあり、流れのある川での使用を前提として設計されている。ロッドのパワーが強いため、ラインのターンオーバーも安定しており、正確かつ力強いプレゼンテーションが可能である。

一方で、ロッド自体が長く重いため、狭い場所での釣りや小さな魚を相手にするには不向きである。道具のセッティングやキャスト技術にある程度の経験が必要なため、初心者にはややハードルが高い道具とも言える。

ダブルハンドロッドは、広大な水域と対話するための道具であり、ダイナミックな釣りを可能にする力強いパートナーである。フライフィッシングの奥深さと可能性を広げてくれる存在である。

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